(1)維新ホールと市民会館は、目的、機能、特性が全く異なります
新山口駅前のKDDI維新ホールは「産業交流施設」であり、大規模展示会やプロレスも行われる多目的イベントホールです。一方、市民会館は「文化芸術施設」であり、この2施設は山口市の政策上の位置づけや機能、特性が明確に区別されています。
特に、維新ホールの壁面には吸音材が使用されており、反響板もないため、残響時間は極めて短く、全く響きません。このため、声楽や器楽などの生音による演奏には全く適さず、現に、演奏会場選びで維新ホールを避ける著名演奏家もいます。
さらに、小ホールもなく、練習室等も小さく、搬入口も狭いので、市民会館で開催されている音楽コンクール等のイベントを維新ホールで代替することもできません。
(2)市民会館と維新ホールは、共存共栄が可能です
山口市民会館では、県中央部のホールという立地の良さゆえに、昔から全県規模の行事が多数開催され、相当の稼働率がありました。このため、維新ホールができる前は、市民が山口市民会館で演奏会を開こうとしても、利用の申込みが他の主催者と競合し、希望する日時を確保できないということがしばしばありました。
維新ホールが開館した現在では、両施設で利用者のニーズに応じた住み分けが可能になりました。今後、山口市民会館が建て替わり、文化ホールとしての専門性を高めていけば、市民の文化芸術活動の発展につながるだけでなく、広域の文化イベントの誘致も可能になり、産業と文化の両面で山口市への集客を増やすことが期待できます。